事業報告
(2023年度)
Ⅰ 事業の概況
2023年度は、業務遂行態勢の強化を目指した運営に努めるとともに、事業譲渡に向けた全体スケジュールや作業スケジュールに沿って日本労信協や北陸労働金庫、石川労信協・福井労信協と打合せを行うなど、移行作業を進めてまいりました。
新規・残高につきましては、保証引受を停止しているため保証債務残高は大きく減少しました。
一方、代位弁済額は33,177千円となり前年度と比較して47,427千円減少となり、求償権等の総回収額については、前年度より6,191千円増加し49,945千円となりました。
保証債務に係る延滞残高は前年度より増加し、延滞率は期首より0.12ポイント悪化しました。2023年度は貸倒損失が前年度より57,244千円減少し、59,198千円となり、結果として、当期一般正味財産増減額は46,558千円となりました。
1.事業運営等に係る計画
(1)事業譲渡関連作業
お客様に不信感を抱かれないよう、事業譲渡に関する通知や求償権の返済先変更など、事前に案内を行うなど丁寧な対応に努めるとともに、譲渡後のトラブルを考慮し、特殊案件の記録や交渉の記録などを行いました。
作業の進め方は、北陸3労(勤)信協で協議し作成したスケジュールに基づき行いました。進捗状況の確認は、日本労信協、北陸労働金庫と必要に応じて行い、遅延とならないよう作業を進めました。
求償権などの移行データは、当協会のシステムベンダーである福井システムズが作成しますが、内容の検証などデータ移行に支障をきたさないようチェックを行いました。
また、事業譲渡や精算を確実に行えるよう、必要に応じ顧問弁護士等によるリーガルチェックを行いました。
なお、理事会へは進捗の状況報告を行い、理事会として進捗管理を行いました。
(2)求償権の回収
- ①
- 新規保証の取止めによる保証残高の減少に伴う「保証料収入減少」を補うため、延滞督促状の発送や延滞者の自宅訪問等を行い回収体制の強化を行いました。
- ②
- 相談や面談に応じないなど返済意思を示さない債務者に対しては、競売・給与差押等の法的措置を講ずるなど毅然とした対応を行いました。
- ③
- 既往融資利用者の保証条件変更等は、迅速かつ適正に対応しました。
(3)保証債務の延滞管理と代位弁済の迅速な履行
- ①
- 北陸労働金庫からの代位弁済の履行請求に対し、的確・迅速に対応しました。
- ②
- 保証債務の延滞削減に向け、北陸労働金庫の営業店と連携して取り組みました。
2関係団体との連携について
(1)自治体との連携
- ①
- 地域勤労者の生活向上や福祉の増進に向けて、富山県・各自治体との連携を深めました。
- ②
- 「市町村労働行政主管課長会議」および「北陸3県労政・労(勤)信協連絡会議」は開催できませんでした。
(2)北陸労働金庫・営業店との連携
- ①
- 「北陸労金・北陸労信協協議会」等の定期開催を通じ、意思疎通を図りました。
- ②
- 北陸労働金庫の営業店訪問を行い、意見交換を行いました。
- ③
- 代位弁済の事例等に基づき、債権管理のあり方、手法等について、北陸労働金庫と意見交換を行いました。
(3)労働者福祉事業団体との連携
- 富山県労働者福祉事業協会の構成団体として、理事会や諸行事に参加し連携を深めました。
(4)北陸労働者信用基金協会協議会との連携
- 石川労信協・福井労信協と連携して運営する北陸労信協協議会は、「総会」「幹事会」「連絡会議」を開催し、北陸労働金庫の系統保証機関として、連携し統一した事業運営が出来るよう協議を行ってきました。
3.事務局体制について
(1)事務処理の効率化をはかり、正確・迅速な業務の執行に努めました。
(2)職員間のコミュニケーションを重視し、相互牽制・相互連携・情報の共有に努めました。
(3)個人情報の厳格な管理とコンプライアンスの遵守に努めました。
4.保証引受の状況
(1)新規保証
新規保証は前年度より87,644千円減少し、139,700千円となりました。2021年7月より、北陸労金が新規保証引受を日信協保証に変更したため、商品別の無担保ローンは教育ローンを除き他の商品は減少し、有担保ローンも減少しました。
(単位:件、千円)
(単位:件、千円)
(2)保証債務残高
保証債務残高は、前年度より5,243,951千円減少し35,015,699千円となりました。無担保ローンは前年度よりも3,501,577千円減少となり、有担保ローンも前年度より1,742,375千円減少しました。また、年度計画に対する達成率は104.18%となりました。
商品別では、すべての商品で減少しました。
(単位:件、千円)
(単位:件、千円)
5.代位弁済及び延滞状況
(1)代位弁済
代位弁済は、36件、33,177千円となりました。前年度より無担保ローンは、件数で2件、金額で23,280千円の減少となり、有担保ローンも件数で2件、金額でも24,147千円の減少となりました。また、年度計画額に対し66,823千円下回りました。事由別で、自己破産・民事再生・債務整理の法的処理が、件数割合で全体の66.67%を占め、昨年度と比較をすると0.83ポイント減少しています。
(単位:件、千円)
(単位:件、千円)
(2)保証債務の延滞状況
2ヵ月以上の延滞は、18件、106,434千円、延滞率で0.30%となりました。延滞率は期首から0.12ポイント悪化しました。無担保は、239千円増加し10,584千円となり、有担保も、32,813千円増加し95,849千円となりました。また、年度計画額に対して、6,434千円多くなりました。
(単位:件、千円)
6.求償権の状況
(1)求償権等の回収
求償権の回収は、41,345千円となり前年度を4,421千円上回りました。償却求償権・損害金の回収は合わせて8,599千円となり前年度を1,769千円上回りました。
(単位:千円)
(2)求償権残高
求償権残高は前年度より67,367千円減少し343,224千円となりました。また、期中の償却額は59,199千円となり、前年度償却額より57,244千円減少しました。
(単位:千円)
Ⅱ 基本財産及び損益の概況
1.基本財産の状況
基金準備金は、前年同額の1,038,323千円となりました。
また、保証限度率は前期より4.51ポイント下降し30.05%となりました。
(単位:千円)